胚培養士掲示板
卵子や精子に関する質問、培養室についてのご質問に当院胚培養士がお答え致します。
かの(女性:大阪府)様から
2009.07.03
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子宮回帰説
いつも参考にさせていただいています。
私は4年前に両卵管を切除して以来8回の採卵、7回の移植をしてきました。
全部が凍結胚盤胞移植です。
が、なかなか胚盤胞まで育たず移植にまで至りません。
更に言えば完全・自然周期での誘発しかない病院だったこともあり色々なアプローチができる病院に転院しました。
初めてのショート法を試みて2個採卵、3日目に2個ともが8分割まで育ち1個は胚盤胞になったら凍結することにして1個を採卵3日目の8分割で移植しました。
今までの病院では子宮回帰説?を推奨しており、私のように卵管が無い患者には絶対に胚盤胞移植でした。
が、転院した病院では子宮回帰説も説でしかないと言う説明を受け移植してしまったのですが不安でたまりません。
卵管が無い人が8分割胚を移植して妊娠したなんて、どこのサイトを見ても見当たらず、移植した事実すらありませんでした。
やはり子宮回帰説を基準に治療する病院の方が圧倒的に多いということなんでしょうか。
そうなると今回の私の8分割胚移植は無意味に終わったと言うことになります。
ご意見をお聞かせ頂けると幸いです。
よろしくお願いします。 -
胚培養士より
お答えします。“卵管回帰説(子宮に移植しても一旦卵管にいき、それから子宮にもどってくるという説)”というのは国内の一部のグループが唱える説であって、世界的な基準ではありません。そちらでの説明の通り、あくまで一つの説と捉えたほうが良いでしょう。
また、卵管性不妊における4-8細胞期移植は、もっともスタンダードな体外受精適応例で、国内外においても数え切れないほど妊娠例はあると思います。ひょとしたら有名すぎていまさらインターネットの情報では集まらないのかも知れませんね。ご心配はいらないと思います。