胚培養士掲示板
卵子や精子に関する質問、培養室についてのご質問に当院胚培養士がお答え致します。
にもこ(女性:千葉県)様から
2009.09.28
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度々申し訳ありません
ご回答頂きありがとうございます。専門的な説明は聞いていてもよく理解できず、うろ覚えで私なりの言葉でご相談してしまったかもしれません。
採卵翌日に確認したところ、「授精したかもしれない卵が4個中3個」と言われたのです。そして3日後再度確認したところ「全く分割していない」とのことでした。「授精したように見えたがしていなかった」と表現してしまったのは、このような経過のためです。
分割しなかった卵の検査の結果を頂いたのですが、
卵1:核系異常・染色体凝集・第二極体放出あり
卵2:核系異常・染色体凝集・極体Fragmentation・精子進入不明
卵3:核系異常・染色体凝集・精子進入不明
という結果だったそうです。結局今回は授精しなかったということでしょうか?「核系異常」「染色体凝集」「第二極体放出あり」「極体フラグメンテーション」それぞれの言葉の意味を簡単に教えて頂けないでしょうか。
精子のDNAや空砲検査については、やはり意義を感じないので、やらないことにしました。誘発方法については、自然周期が良いのか、またアンタゴニスタ法でやるのか迷っています。主治医の見解は、私のような生理周期が長い(卵巣機能が低下している)人は自然周期はなかなか育たないことが多いので、誘発してたくさん作った方が良いとは思うが…とのことでした。 -
胚培養士より
お答えします。
Q1.採卵翌日に確認したところ、「授精したかもしれない卵が4個中3個」と言われたのです。そして3日後再度確認したところ「全く分割していない」とのことでした。「授精したように見えたがしていなかった」と表現してしまったのは、このような経過のためです。
分割しなかった卵の検査の結果を頂いたのですが、
卵1:核系異常・染色体凝集・第二極体放出あり
卵2:核系異常・染色体凝集・極体Fragmentation・精子進入不明
卵3:核系異常・染色体凝集・精子進入不明
という結果だったそうです。結局今回は授精しなかったということでしょうか?「核系異常」「染色体凝集」「第二極体放出あり」「極体フラグメンテーション」それぞれの言葉の意味を簡単に教えて頂けないでしょうか。
A1.正常に受精した受精卵は「前核が2個みえて、極体が2個」見えます。今回、前核ではなく、第2極体の有無(放出)だけで受精したかどうかを判断しようとしたと思われますが、第2極体については第1極体が割れてしまってさも2個あるように見えることもありますし、断片化(Fragmentation)したり、あるいは、もともと複数個の極体を持っているようにみえる卵子もあります。
つまり、第2極体の有無だけでは受精したかどうかの判断を下すのに信頼性は極めて乏しいということです。結果をお聞きした限りでは、今回は受精したとは思えませんね。
また未受精の卵子は、「核型異常」や「染色体凝集」などがみられることはあります。この検査によって、受精しなかった原因が確定するわけではないですし、「核型異常」や「染色体凝集」などの卵子は検査すればよく見られると思いますので、この検査についてもルーチンワークとして取り入れている施設は少ないかも知れませんね。この意義についても一度直接お問い合わせいただいたほうが良いでしょう。
なお、それぞれの語句の説明については、この掲示板というツールでこれ以上簡単にお答えできる内容ではございません。ご了承お願いします。
Q2.精子のDNAや空砲検査については、やはり意義を感じないので、やらないことにしました。誘発方法については、自然周期が良いのか、またアンタゴニスタ法でやるのか迷っています。主治医の見解は、私のような生理周期が長い(卵巣機能が低下している)人は自然周期はなかなか育たないことが多いので、誘発してたくさん作った方が良いとは思うが…とのことでした。
A2.ご自分の納得のいく方法を医師とよくご相談ください。頑張ってください。