医療法人 越田クリニック

胚培養士掲示板

卵子や精子に関する質問、培養室についてのご質問に当院胚培養士がお答え致します。

かおりんこ様から

2015.08.26

  • 不妊治療で顕微受精を行っています。今までに採卵2回行い、胚盤胞まで育て凍結し、胚移植を3回行いました。1回目と3回目は良好胚と言われてたのですが着床せず陰性で終わってます(2回目は妊娠しましたが繋留流産しました)
    採卵では10個位採取できて受精もするのですが胚盤胞まで育つのは2個と少ないです。
    今週期、また採卵する予定にしてますが、その際の凍結は、胚盤胞まで育てず、3日目胚を凍結し、移植では2個移植する方法にしてみてはどうかと先生から説明を受けました。
    この方法は初めて知ったので、どういうメリットとデメリット、適応者、妊娠率など他も詳しく教えて頂きたいです。
    また着床障害の検査を受けた方が良いのでしょうか。
    お忙しいと思いますが、採卵の準備上、今週末までに教えて頂けたら幸いです。よろしくお願いします。

  • 胚培養士より

     返信が遅くなり大変申し訳ございません。


     まず胚盤胞移植と初期胚移植のデメリット・メリットについてご説明致します。


     


    胚盤胞移植 


     (メリット)


     ・移植あたりの妊娠率が高い。Gradeに相関し2060%弱(当院)


    (デメリット)


    ・胚盤胞まで育つ確率が1/3程度ですので、凍結出来ない可能性、又は凍結する個数が少なくなる可能性が初期胚に比べて高い。


     


     初期胚移植


      (メリット)


      ・当院においての初期胚凍結は培養3日目で6細胞Grade3以上の胚を凍結します。6細胞Grade3以上に育つ確率は高く、凍結出来る可能性 、または凍結する個数が多くなる可能性が胚盤胞に比べて高い。


      ・体内環境で育てる。


      (デメリット)


      ・移植あたりの妊娠率が低い。18%弱(当院)


      ・妊娠までの移植回数が増える可能性があり、料金的に負担がかかる。


     


     当院でも胚盤胞移植反復不成功の方に初期胚凍結をお勧めすることもあります。また受精卵の個数が13個ぐらいと少ない場合や、年齢(40歳以上)の場合でもお勧めすることがあります。治療方針は病院によっても異なりますので、一度通われている施設でご相談ください。


     


     着床障害の検査についてですが、反復不成功の方に医師からお勧めすることがありますが、適応の基準は設けておりません。通われている施設で適応がるかどうか一度ご相談ください。


     


    ご質問ありがとうございました。