医療法人 越田クリニック

胚培養士掲示板

卵子や精子に関する質問、培養室についてのご質問に当院胚培養士がお答え致します。

第二子希望様から

2016.06.18

  • 44歳です。年齢的に難しいのは充分承知で頑張っております。 質問にご回答いただければ幸いです。
    1.胚盤胞になかなかならなくて、初期胚移植に挑戦しようと考えています。 ただ、そもそも胚盤胞にならない胚は、着床、妊娠しないものではないのかという思いもあります。体外で胚盤胞にならない胚が体内では、胚盤胞になるのかという研究は不可能と思うのですが、実際、どのように感じられますか?
    2.初期胚移植で、3日目8細胞のグレード1胚の場合、何個移植が推奨されますか? 多く移植すれば、それだけ、妊娠率も上がるのではないかと考えますが、いかがでしょうか?
    3.初期胚移植の場合、3日目に移植すると、本来は、胚は卵管内にいるはずなので、子宮外妊娠になる可能性が高まると思うのですが、実際は、どうでしょうか?
    4.奇跡的に、未熟卵で採れたものが4ABの胚盤胞になりました。これは、妊娠する可能性は、成熟卵で採れたものより妊娠率が低くなりますか?
    5.万が一、多胎妊娠になった場合に、染色体異常の検査をその胎児ごとにするのは可能ですか? また、着床したものの中で、一部が流産となった場合に、正常なものに悪影響を及ぼすことはありますでしょうか。

  • 胚培養士より

    お答えします。
    1.初期胚移植のメリットとしては、体外での培養環境では観察時の温度などの変化が体内では起こらないので胚へのストレスが軽減できることです。何度か体外培養で胚盤胞に発育しない場合は初期胚移植も考慮しても良いと思います。
     
    2.初期胚での移植個数についてですが、2個移植すれば倍の妊娠率ということにはならないのですが、上昇する傾向にはあります。ただし、多胎率も上昇します。
    多胎のリスクも考慮して通院されている施設とご相談ください。
     
    3.胚は子宮に移植致しますので子宮で発育します。ただ、まれに子宮に移植した胚が卵管に着床する症例はあります。子宮外妊娠が高くなるとは考えにくいかと思われます。
     
    4.未成熟卵子由来だったとしても胚盤胞に発育しているので、妊娠する可能性はありますが、成熟卵子由来の胚盤胞よりも妊娠率は低いと考えた方が良いと思われます。当院での成功例はほぼありません。
    5.多胎妊娠の形態にも寄りますが、2絨毛膜2羊膜双胎であれば胎児ごとの検査は可能です。
    双胎で1子が流産になった場合、もう1子への影響ですが、妊娠週数によらず影響が及ぶケースもあれば及ばないケースもあります。詳しくは通院されてる施設にお尋ねください。
    ご質問ありがとうございました。