医療法人 越田クリニック

胚培養士掲示板

卵子や精子に関する質問、培養室についてのご質問に当院胚培養士がお答え致します。

ララ様から

2019.07.23

  • ララ

    初めまして。いつも掲示板で勉強させて頂いています。

    現在38歳です。37歳から体外受精を始め、治療開始時のAMHは0.5でした。高刺激で採卵を3回行い、合計、初期胚1つと胚盤胞4つ(5日目3AA、3BB、3BC、6日目5BA)を凍結しました。先日、初めて移植し(5日目3AA)、陽性判定でしたが、稽留流産となりました。流産手術後に胎盤ポリープが確認され、経過観察中です。もう数ヶ月したら治療再開できそうな見込みですが、今後の方針で悩んでいます。以下について、質問させて下さい。

    1.凍結している残りの胚盤胞の1つ(5日目3BC)は3PN由来です。できるだけ懸念要素のある胚移植は避けたいと思っているのですが、3PN由来の胚盤胞はやはり懸念が残る胚なのでしょうか?それとも、胚盤胞になっていれば全く問題はないのでしょうか?

    2.今回の流産後のトラブルもあり、できるだけ妊娠率の高い胚を移植したい想いが強くなりました。凍結している初期胚(2日目4分割グレード1)を一旦胚盤胞まで培養し、育てば再凍結して、後日移植しようかとも考えております。胚の再凍結は胚にダメージを与え、移植・着床に良くないでしょうか?状態の良い初期胚であれば、胚盤胞に一旦育てて再凍結するより、やはり移植した方が良いものでしょうか?

    3.5日目3BB、6日目5BAの胚盤胞の妊娠率はそれぞれどのくらいでしょうか?

    4.治療再開時に採卵をするか移植をするか、とても悩んでおります。早く移植をしたい気持ちがある一方、残りの胚で妊娠に至るのかを心配しております。流産前のAMHが低く、近々、胚盤胞を得られなくなるのではないかという怖さも感じています。流産(手術)後、採卵数は更に減るのでしょうか?また、もちろん人それぞれだと理解していますが、一般的に何個くらいの胚盤胞があれば出産に至る可能性が高いでしょうか?

    長文となり、大変失礼致しました。胚培養士の方に直接お伺いできる機会があり、大変ありがたく思っております。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

  • 胚培養士より

    ご質問ありがとうございます。



    1:単核、多核受精の胚に関しては当院では培養を行っておりません。基本的には染色体異常がある可能性が高いと考えております。



    2:当院での統計では胚盤胞に育つ確率が受精卵3個中1個程度です。1個の受精卵が胚盤胞に育つのは確率的には低いです。また再凍結に関してですが、胚へのダメージは少なくともゼロではありません。



    3:5日目BB 40-50%、6日目BA 20-30%です。



    4:流産によって卵子の数が減るということはないかと思われますが、周期によって卵巣の反応も違いますので結果的の前回の採卵数より減る可能性はあります。確率的には胚盤胞を3回移植して1回の着床ですが出産まではわかりかねます。当院での35-39歳での流産率は23%程度です。



    良い結果になることをお祈りしております。