医療法人 越田クリニック

不妊治療トピックス

《 漢方コラム 》

2017.10.15 漢方コラム

産婦人科漢方研究会

東京で産婦人科漢方研究会が開催され、今年も発表を行いました。
タイトルは「漢方薬を服用した女性 18 例の不妊治療の効果への影響の検討」で、優秀演題賞ノミネート講演に選んでいただきました。

2015年に、便秘症の方(ここでは毎日すっきり排便がない症状を指しています)に潤腸湯エキスを処方し、ご協力をいただきました。

潤腸湯エキスを処方すると、便秘にはもちろん、月経や基礎体温の改善と自覚症状の変化を実感される方もありました。
産婦人科漢方研究会では、便秘と子宮卵巣機能を改善する効果がある可能性について発表しました。
アンケートにご協力いただいた方々には、本当にありがとうございました。

発表時に「では実際には妊娠につながったのかどうか?」というご質問があり、今回、潤腸湯エキスを服用して、その後の経過がわかる20例の方の妊娠の状況を調査いたしました。すると、11例と半数以上の方が妊娠され、しかも、その8割が半年以内に妊娠されていました。

不妊治療との併用であること、まだ今までのデータでは症例数も少ないことより、潤腸湯エキスが直接妊娠率を上げたとまでは言えませんが、体調を良くすることは確かで、妊娠につながる可能性が大きいと十分考えられます。

毎日すっきり排便がない方、不妊治療と関係がないと思っていらっしゃるかもしれませんが、それは瘀血(血行不良)の元凶です。潤腸湯エキスは比較的短期間で効果が期待できます。是非ご相談ください

編集後記

産婦人科漢方研究会は、産婦人科領域における漢方療法に関する研究を通じて、漢方医学の普及と件鑽を図ることを目的として、株式会社ツムラと共催で1981年に第一回の研究会が開催されました。
回を重ねるごとに全国から多くの産婦人科医や医療スタッフが参加されています。
2016年のプログラムはコチラから→【第36回 産婦人科漢方研究会 学術集会プログラム】