2016.12.07 漢方コラム
風邪のひきはじめの漢方
漢方薬は服用する時期、服用方法などを間違うと、最大限に効果を得ることができません。
正しい服用方法を知って、効果的に漢方薬を使用しましょう。
- 1:風邪かな?と思ったら・・・
風邪の漢方薬では、葛根湯(かっこんとう)は有名だと思いますが、服用する時期、服用方法は案外、間違っておられる方も多く見かけます。
「風邪のひきはじめに葛根湯」「風邪かな?と思ったら、葛根湯」などのフレーズは、耳にしたことがある方も多いと思います。 葛根湯の服用の仕方は、言葉のとおりで、「寒くて」「まだ汗が出ておらず」「肩が凝っている」時、つまり、風邪をひく前です。
そんな時は、葛根湯を1,2回服用して、温かい食事をとって、早めに寝てしまいましょう。 - 2:寒くて、喉チクには・・・
背中が寒く、くしゃみを連発する、喉がイガイガ、チクチクするときには、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を治まるまで服用すると、風邪に進みにくいです。 - 3:風邪になったら・・・
- a.少し寒くて、汗がにじむなら→桂枝湯(けいしとう)(妊娠中のつわりにも使用される漢方の一つ)
- b.非常に寒気が強く、汗が全く出ず、体の節々が痛い→麻黄湯(まおうとう)
- c.どちらか判断できないとき→桂麻各半湯(けいまかくはんとう)(桂枝湯と麻黄湯が混ざっています)
いずれも風邪をひいて約1週間服用する漢方薬になります。
それ以上、こじらせてしまった時には効果が出ず、他の漢方薬を選択することになります。 - 4:どの漢方がよいかわからない時
参蘇飲(じんそいん)が有効です。漢方の総合感冒剤ともいうべき漢方薬です。
どんな時期でも、老若男女、風邪の時期も問わず使用できます。妊婦さんにも使用されています。