医療法人 越田クリニック

不妊治療トピックス

《 漢方コラム 》

2016.09.07 漢方コラム

最優先は胃腸①(胃腸衰弱を克服する)

漢方治療、特に不妊治療に携わるようになり、胃腸虚弱はまず克服しないといけない症状だとますます感じるようになりました。
胃腸虚弱があると、不妊治療に頻用される四物湯や当帰芍薬散などの補血薬や、八味地黄丸や六味丸などの補腎剤の効果が出にくかったり、服用すると胃もたれがあったりといった弊害もあります。
「少し食べるとすぐおなか一杯になる、もたれる」
「食べても食べても太らない」
「食べるとすぐ軟便がでて太らない」
など、、、うらやましいような話でもあります。
しかし、せっかく栄養満点の食事を準備しても、充分に食べられない、或いは吸収できないことが長年続いたらどうでしょうか?

急激なダイエットの影響

大げさにお話しします。 急激なダイエットをすると、人間の体は危機を感じて、生命に関係する主要な臓器に栄養を送るために、生命とは関係ない子宮卵巣の働きは休止してしまいます。そのため、無排卵・無月経などが引き起こされます。とすると、もともと胃腸虚弱の方は、知らず知らずの間に子宮卵巣へのエネルギー供給が長年低下している可能性は考えられないでしょうか?

胃腸虚弱(脾虚)は、気血水の生成を低下させ、腎虚をももたらすといわれています。 腎は生まれ持った生命エネルギーを指し、脾は食べ物から生命力を補う働きがあり、腎のもつ生命力を目覚めさせ、活性化するといわれています。つまり、食事からの充分な栄養を補うことが、卵巣機能を改善し、老化を防ぐための基本と言えるでしょう。胃腸が弱い、疲れやすいなどエネルギー不足の方は、是非、消化吸収を高める漢方薬をお勧めします。

  • 四君子湯
    人参を主とした胃腸虚弱の基本薬
  • 茯苓飲
    胃腸虚弱で、げっぷの多い人に
  • 啓脾湯
    胃腸虚弱で、軟便、下痢のある人に
  • 人参湯
    胃腸虚弱で上腹部が冷えている人に
  • 補中益気湯
    胃腸虚弱で、いくら寝ても疲労感が強いときに 胃腸虚弱を克服して、ひいては卵巣機能をアップしましょう!