医療法人 越田クリニック

不妊治療トピックス

《 漢方コラム 》

2016.05.05 漢方コラム

漢方の持つアンチエイジング力②

前回、東洋医学での「腎」は、西洋医学とは違って、泌尿生殖器全般を指し、成長や発育、生殖、老衰といった生命現象を調節している、生命力の根本であるとお話ししました(前回の記事は→漢方の持つエイジング力①)。
今回は、腎に貯蔵されている「腎精(生命のエネルギー、栄養分)の不足を補う“補腎薬について”がテーマです。
代表的な漢方薬は、六味丸(ろくみがん)・八味地黄丸(はちみじおうがん)・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)・清心蓮子飲(せいしんれんしいん)・真武湯(しんぶとう)などです。
今回は特に、当クリニックで頻用される六味丸・八味地黄丸・牛車腎気丸についてお話しします。

■六味丸(ろくみがん)
補腎薬の基本薬です。足腰の衰えや夜間尿、精力減退など、老化による諸症状に使用する、いわゆる滋養強壮の漢方薬の一つです。中に含まれる「地黄」は、血の栄養を補う作用が強いので、卵子にもよいと私たちは考えています。温める作用はないので、暑がりの方や、夏場の汗をかく時期におすすめしています。
■八味地黄丸 /八味丸(はちみじおうがん / はちみがん)
六味丸に桂枝・附子の温める作用が加わっているので、冷えのある方に適します。
■牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
牛膝(ごしつ)、車前子(しゃぜんし)の利尿作用が加わっているので、冷えとむくみのある方に適します。

これらの漢方薬の効果は、時にすぐに「元気が出てきた」、「温もった」とおっしゃってくださる方もいらっしゃいますが、通常は長く服用して良い漢方薬になりますので、気長に服用してみてください。
ただし、妊娠については、服用開始して比較的早期に結果に反映されている方も多くみられます。
また、「腎精」の不足は、遺伝的素因・体質、加齢に加えて、不摂生や不養生によっても引き起こされますので、バランスのとれた食事、適度な運動、禁煙減酒は大切です。

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